ロト7の過去データを眺めていると、こう思うことがあります。
「この数字、やたらと出ているな」
そして次にこう考えます。「よく出ているということは、この抽選機はこの数字が出やすいのでは?」
この考え方——実はちゃんとした名前があって、しかも過去に成功した実例があります。
ロト7でも通用するのか、全689回のデータで確かめました。
・「よく出る数字」を追う考え方には、実際に成功した歴史があること
・ロト7の抽選機に、追いかける価値のあるクセがあるかどうか
・いちばん多い数字と少ない数字で41回も差があるのに、偏っていない理由
・前半で4番目によく出ていた数字が、後半でどうなったか
1870年代、イギリスの技師ジョセフ・ジャガーという人が、モナコのカジノでルーレットの出目をひたすら記録させました。
そして見つけます。ある台だけ、特定の数字が出すぎている。
原因は台の製造上のわずかなゆがみでした。彼はそこに賭け続けて大金を手にした、と伝えられています。
これが「バイアス」——つまり機械のクセを追いかける考え方です。
オカルトでも思い込みでもありません。物理的なゆがみがあれば、特定の目は本当に出やすくなります。
「最近よく出ている数字は出やすい」という発想は、まさにこれと同じです。
では、ロト7の抽選機にクセはあるのでしょうか。
この記事では、ずっと同じことをしています。
① でたらめに選んだらどうなるかを計算する
② 実際のデータと比べる
③ 差が「普通のブレ」の中かどうかを見る
③が大事です。コインを100回投げても、表がぴったり50回になることはまずありません。48回や53回になります。これが普通のブレです。
差が普通のブレの中なら「たまたま」。外に出ていたら「何かある」。それだけの話です。
まず全689回で引かれた数字、4,823個を全部数えました。
37種類あるので、1個あたりの平均は130.4回です。実際はこうでした。
41回も違います。これだけ見ると「15番にクセがある」と思いたくなります。
でも、ここが落とし穴でした。
パソコンの中にまったくクセのない、完全に公平な抽選機を作りました。
そこで689回の抽選をして、いちばん多い数字と少ない数字の差を測る——これを1万回くり返しました。
結果です。
| いちばん多い数字と少ない数字の差 | |
|---|---|
| 完全に公平な抽選機(平均) | 44.3回 |
| 実際のロト7 | 41回 |
実際のロト7のほうが、差が小さいのです。
クセのない機械でも、689回やれば平均で44回くらいの差はつきます。10回のうち8回は36回〜54回の間に収まりました。
実際の41回は、そのど真ん中です。
サイコロを100回振って「6が21回、1が12回」出ても、そのサイコロが歪んでいるとは言えませんよね。それとまったく同じことでした。
統計の判定(カイ二乗検定)でも確かめました。値は28.96(自由度36)、p値は0.791です。0.05を下回ると「偏りがある」と判断しますが、大きく上回りました。シミュレーションでは、実際の41回以上の差がつく割合は69.1%でした。
ここがこの記事のいちばん大事なところです。
ジャガーがルーレットで勝てたのは、クセが消えなかったからです。台のゆがみは、直さない限りずっと残ります。だから記録し続ければ儲かりました。
逆に言えば——クセが続かないなら、追いかけても意味がありません。
そこで689回をまっぷたつに割りました。前半344回と、後半345回です。
前半でよく出ていた数字トップ5が、後半で何位だったか。
| 数字 | 前半の順位 | 後半の順位 |
|---|---|---|
| 15番 | 1位 | 9位 |
| 9番 | 2位 | 8位 |
| 21番 | 3位 | 33位 |
| 28番 | 4位 | 37位 |
| 36番 | 5位 | 23位 |
28番を見てください。
前半344回では、37個のうち4番目によく出ていた数字です。
もし前半のデータを見て「28番は熱い」と判断していたら、どうなったか。
21番も3位から33位へ落ちています。
37個すべてで「前半の順位と後半の順位がどれくらい似ているか」を点数にしてみました。完全に同じなら100点、まったく無関係なら0点という点数です。
結果は——マイナス1.4点。
ほぼ0点です。前半の出方から、後半は1ミリも読めませんでした。
この点数は相関係数を100倍したものです。実際の値はマイナス0.014でした。統計的にゼロと区別がつきません。
「前回出た数字がまた出る」——これもよく言われます。688組すべてで数えました。
| 前回の7個のうち、次回にも出た個数 | |
|---|---|
| 実際のロト7 | 1.34個 |
| でたらめのとき | 1.32個 |
差は0.02個です。1回に1個出るか出ないかという世界で、0.02個の差。
普通のブレの中でした。
「ルーレットで赤が続く」に当たる部分です。
| 実際 | でたらめのとき | |
|---|---|---|
| 2回続けて出た | 922回 | 911回 |
| 3回続けて出た | 182回 | 172回 |
どちらも実際のほうがわずかに多い——のですが、この程度の差は普通に起きる範囲です。
「赤が続いたから次も赤」は、ロト7では成り立ちませんでした。
4つとも「クセなし」でした。ルーレットでは通用したのに、なぜロト7では通用しないのか。
理由ははっきりしています。
ルーレット:同じ台をずっと使う。ゆがみは直さない限り残り続ける。だからクセが積み重なる。
ロト7:抽選のたびにボールを入れ直して混ぜ直す。前回の結果は次回に持ち越されない。クセが居座る構造になっていない。
ジャガーが勝てたのは、台に直らない欠陥があったからです。
ロト7には、それが見つかりませんでした。
正直に書きます。当たりやすさを上げる効果はありません。
ロトボットの予想アプリでも「直近30回でよく出た数字」を使っていますが、実際に測るとこうです。
| 当選7個のうち、その20個に入っていた数 | |
|---|---|
| 直近30回のよく出た上位20個 | 3.84個 |
| でたらめに20個選んだとき | 3.78個 |
第101回〜第689回の589回で集計。差の0.06個は普通のブレの中です。
ではなぜ使っているのか。
ロト7は37個から7個を選びます。組み合わせは約1,030万通り。何の手がかりもなく決めるのは大変です。
ホットナンバーは、当たりやすさを上げる道具ではなく、選ぶ手がかりを作る道具です。
そして手がかりを作るなら、その中身と限界をこの記事のように数字ごと公開する。それが「なんとなく熱い数字」との違いだと思っています。
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